Pinocchio | Japan

 

『ピノッキオのぼうけん』訳:安藤美紀夫 画:臼井 都 1970年 福音館書店

もう少しくわしくいうと、それは、はじめ「あるあやつり人形のおはなし」という題名で、当時の子ども新聞に連載ものの形で発表されたものなのです。〈中略〉

しかし、コルローディは、はじめ、その連載物語を、いま残っている「ピノッキオ」の十五章、つまりピノッキオが大樫につりさげられるところで終りにしようとしていました。ところが、人気のあったこの物語がそんなところで終ることを、小さな読者がゆるしませんでした。新聞の編集者マルティーニも読者の攻撃を受けて、コルローディを説きふせ、そうして、やっと、あわれなピノッキオはいのちをとりとめたのです。

── あとがきより